Excel顧客管理で同じ人が重複登録される原因は?電話番号とメールで防ぐ方法

1. 導入

「先週問い合わせのあった〇〇さん、もう登録されているはずなのに、なぜか別の行で新しく登録されている」。Excelで顧客管理表を運用していると、こうした重複登録に気づく場面があります。同じ顧客なのに、株式会社の有無、姓名のスペースの違い、ふりがなの揺れなどで、別々の顧客として記録されてしまうケースです。

3〜50人ほどの規模で、顧客管理・営業管理・問い合わせ管理を行うチームでは、この問題は特によく起こります。担当者が複数いて、それぞれが別のタイミングで顧客を登録するため、同じ顧客に対して複数のレコードができてしまうのです。

この記事では、同じ顧客の重複登録を確認するための、実務で使える見直し方を整理します。

2. この記事で解決すること

項目内容
解決する課題同じ顧客が別名で登録される
主な原因顧客名だけで管理している
解決方法顧客名・電話番号・メールアドレスを組み合わせて確認する
対象業務顧客管理・営業管理・問い合わせ管理
対象人数3〜50人
難易度★☆☆☆☆
作成時間20分
効果顧客検索の漏れを減らせる
向かないケース顧客管理が不要な表

この記事は、顧客管理表を一から作り替えるのではなく、今ある管理表に「電話番号」と「メールアドレス」を組み合わせた確認方法を加え、現場で使いやすく整える内容です。20分ほどの作業で取り組める範囲を扱います。

3. なぜその管理表はうまくいかないのか

重複登録が起きる一番の原因は、顧客名だけで管理していることにあります。顧客名は、入力する人によってどうしても揺れが出やすい項目です。

たとえば、「株式会社サンプル」と「(株)サンプル」と「サンプル」では、文字としては別物として扱われます。担当者個人の名前でも、「山田太郎」「山田 太郎」「ヤマダ タロウ」のように、スペースや表記の違いで別のレコードになってしまいます。

さらに、複数人で運用していると、登録前に既存の顧客を検索する手順があいまいになりがちです。「念のため検索したけれど見つからなかったから新規登録した」という場面で、実は表記が違うだけで既存の顧客がいた、ということが起こります。

これは、入力する人の注意不足ではなく、管理表が「顧客名」という揺れやすい項目だけで一意性を確認させる作りになっていることが原因です。確認に使える情報が一つしかないと、表記ゆれが起きた瞬間に重複が生まれてしまいます。

4. 改善手順

ステップ1. 顧客名・電話番号・メールアドレスの列を確認する

まずは現在の顧客管理表を開き、どの列に「顧客名」「電話番号」「メールアドレス」が入っているかを確認します。3つそろっていない場合は、不足している列を追加します。電話番号とメールアドレスは、顧客名と違って表記が揺れにくいため、重複確認の軸として使えます。

ステップ2. 重複確認に使うキーを決める

次に、重複を判定する組み合わせを決めます。たとえば「メールアドレスが一致したら同一顧客とみなす」「メールがない場合は電話番号で確認する」というルールです。すべての列で完全一致を求めると厳しすぎるので、優先順位を決めておくのがコツです。

ステップ3. 新規登録前の確認手順を決める

顧客を新しく登録する前に、メールアドレスや電話番号で検索する手順をルール化します。Excelの検索機能(Ctrl+F)やフィルター機能で十分対応できます。「顧客名で検索して見つからなかったら、メールアドレスでもう一度検索する」という二段階の確認にすると、表記ゆれの影響を受けにくくなります。

ステップ4. 既存データの重複を洗い出す

過去のデータについても一度棚卸しをします。条件付き書式で、重複しているメールアドレスや電話番号に色を付けると見つけやすくなります。重複が見つかった場合は、どちらの行を残すかを、過去のやり取りや更新日を見ながら判断します。

ステップ5. 表記ルールを最低限そろえる

最後に、顧客名の表記についても基本的なルールを決めておきます。「株式会社は前株か後株か」「スペースは入れない」など、細かすぎないレベルでそろえると、検索のヒット率が上がります。

5. Before / After

観点BeforeAfter
課題同じ顧客が別名で複数登録されている同一顧客の重複が減り、レコードが整理される
原因顧客名だけで一意性を判断していた顧客名・電話番号・メールアドレスの組み合わせで判断する
運用登録前の確認方法が担当者まかせ検索手順がルール化されている
確認顧客名のみで検索し、表記ゆれで見落とすメールや電話番号でも検索し、漏れを減らす
効果同じ顧客への二重連絡や履歴の分断が起きる顧客検索の漏れが減り、対応履歴が一つにまとまる

電話番号とメールアドレスを組み合わせるだけで、顧客検索の漏れを大きく減らせます。特別な関数やツールは必要なく、今ある管理表に少し手を加えるだけで効果が出やすい改善です。

6. 実務での注意点

そもそも顧客管理が不要な表、たとえば社内資産の管理表や進捗管理表に、無理に顧客項目を持ち込む必要はありません。今回の方法は、顧客情報を扱う管理表に限って活用してください。

そのうえで、運用するときは次の点にも気を付けます。

一つ目は、確認項目を増やしすぎないことです。重複判定のために氏名・会社名・電話・メール・住所をすべて完全一致で求めると、入力負担が大きくなり、現場でルールが守られにくくなります。メールアドレスを基本軸にし、補助として電話番号を使うくらいの粒度がちょうどよいケースが多いです。

二つ目は、最初から完璧な表記ルールを目指さないことです。表記ゆれを完全になくそうとすると、登録時のチェックが重くなります。電話番号やメールアドレスという揺れにくい項目で確認できる仕組みを優先しましょう。

三つ目は、個人情報の取り扱いに注意することです。電話番号やメールアドレスは個人情報に当たります。アクセスできる人を絞る、不要になった情報は削除する、といった基本的な配慮も合わせて見直してください。

四つ目は、運用してから1か月ほど経った時点で、ルールが守られているかを一度見直すことです。ルールを決めただけでは形骸化することがあるため、実際の登録状況を確認しながら微調整していきます。

7. Web化・スプレッドシート化との関係

Excel改善で足りる場合

3〜50人規模で、顧客管理・営業管理・問い合わせ管理を行っている場合、多くはExcelの範囲で十分対応できます。電話番号とメールアドレスの列を整え、条件付き書式で重複を可視化し、検索手順をルール化するだけで、顧客検索の漏れはかなり減ります。同時編集が頻繁でなく、ファイルの受け渡しでも大きな混乱が起きていないなら、まずはこの範囲で改善するのが現実的です。

スプレッドシート化・Web化を考える場合

一方で、複数の担当者が同時に顧客を登録・更新する、外出先のスマートフォンから問い合わせを記録したい、登録時に自動で重複チェックをかけたい、といった要件が強くなってきた場合は、スプレッドシートや顧客管理ツールの利用も選択肢になります。問い合わせフォームと連携させ、自動で重複判定するような運用を目指す段階では、Excel単体では難しくなってきます。

ただし、ツールを変える前に、顧客名・電話番号・メールアドレスをどう組み合わせて重複を判断するかという基本整理は必ずしておきましょう。この整理ができていれば、Excelを続ける場合にも、別のツールへ移行する場合にも、そのまま土台として使えます。

8. まとめ

同じ顧客が別名で登録されてしまうのは、顧客名だけで管理していることが原因です。顧客名・電話番号・メールアドレスを組み合わせて確認する手順を整えるだけで、顧客検索の漏れを減らし、対応履歴を一つにまとめやすくなります。

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