導入
問い合わせ管理や商品管理の分類列を開くと、プルダウンに数十個の選択肢がずらりと並び、入力する人がスクロールしながらどれを選ぶか迷っていませんか。選ぶのに時間がかかるうえ、似た選択肢の取り違えも起きます。
これは選択肢が多すぎるのではなく、1つの列に大きなくくりと細かいくくりを詰め込んでいることが原因です。階層が混ざった列は、選ぶのも集計するのも難しくなります。この記事では、分類を大分類列と小分類列の2つに分け、入力も集計もしやすくする手順を説明します。
この記事で解決すること
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 解決する課題 | 分類が細かすぎて入力者が迷う |
| 主な原因 | 1つの列に複数階層の分類を詰め込んでいる |
| 解決方法 | 大分類列と小分類列を分ける |
| 対象業務 | 問い合わせ管理・商品管理・案件管理 |
| 対象人数 | 5〜50人 |
| 難易度 | ★★★☆☆ |
| 作業時間 | 45分 |
| 用意するもの | 対象のExcelファイル/編集権限 |
| 効果 | 分類しやすく集計しやすい |
| 向かないケース | 分類数が少ない表 |
この記事は、分類を減らすのではなく、階層を2列に分けて1回の選択肢数を減らすことを目指します。
なぜその管理表はうまくいかないのか
分類で迷う表には、共通する状態があります。
- 1つのプルダウンに、大きなくくりと細かい項目が混在している
- 選択肢が数十個あり、目的のものを探すだけで時間がかかる
- 似た名前の選択肢が並び、隣を選んでしまう
- 大きなくくりで集計したいのに、細かい分類しかない
- 分類が増えるたびに、リストがさらに長くなる
入力者を責めても、迷いは減りません。原因は1列に階層を詰め込んでいることなので、まず選択肢を大・小の2階層に振り分けるところから始めます。
完成イメージ
直す前 — 1列に階層が混在し、選択肢が長い:
| 問い合わせID | 分類 |
|---|---|
| Q-001 | 料金-請求書再発行 |
| Q-002 | 契約-解約手続き |
| Q-003 | 技術-ログインできない |
数十個の長いリストから1つを選ぶため、入力に時間がかかります。
直した後 — 大分類と小分類の2列に分離:
| 問い合わせID | 大分類 | 小分類 |
|---|---|---|
| Q-001 | 料金 | 請求書再発行 |
| Q-002 | 契約 | 解約手続き |
| Q-003 | 技術 | ログイン不可 |
大分類を選ぶと小分類が数個に絞られ、選びやすく集計もしやすくなります。
改善手順
ステップ1. 現状の選択肢を階層に振り分ける
いまの選択肢を、大きなくくりと細かい項目に分けて整理します。
操作: 現状の選択肢を別シートに書き出し、「大分類」「小分類」の2列に振り分ける。料金-請求書再発行 のような複合値は、ハイフンの前後で分ける。
記入例:
| 現状の選択肢 | 大分類 | 小分類 |
|---|---|---|
| 料金-請求書再発行 | 料金 | 請求書再発行 |
| 技術-ログインできない | 技術 | ログイン不可 |
ステップ2. 大分類列と小分類列を追加する
本表に2つの列を用意します。
操作: 分類列の隣に「大分類」「小分類」列を挿入する。元の分類列は移行が終わるまで残す。
記入例:
| 大分類 | 小分類 |
|---|---|
| (空) | (空) |
ステップ3. 大分類のプルダウンを設定する
まず大分類のプルダウンを作ります。数が少ないので選びやすくなります。
操作: 大分類列にデータの入力規則でプルダウンを設定する。候補は5〜8個程度に収める。
✗悪い例: 大分類に20個以上並べる/◎良い例: 料金/契約/技術/その他 の数個に絞る
ステップ4. 小分類のプルダウンを大分類連動で設定する
大分類で選んだ内容に応じて、小分類の候補が絞られるようにします。
操作: 大分類ごとの小分類リストを名前付き範囲で作り、小分類列の入力規則に =INDIRECT(大分類セル) を設定する。
記入例:
| 大分類 | 連動する小分類候補 |
|---|---|
| 料金 | 請求書再発行/プラン変更/金額照会 |
| 技術 | ログイン不可/表示不具合 |
ステップ5. 過去データの移行ルールを決める
旧分類列の値を、大・小分類へ移します。
操作: 旧分類→大分類・小分類の対応表を作り、置換やVLOOKUPで移行する。移行後に旧列を非表示にする。
記入例:
| 旧分類 | 大分類 | 小分類 |
|---|---|---|
| 契約-解約手続き | 契約 | 解約手続き |
実務での注意点
- 分類数が少ない表(10個未満など)では、2列に分けるとかえって手間です。1列のままが向きます。
- 階層を3段以上に増やすと入力が重くなります。まずは大・小の2段にとどめます。
- 連動プルダウン(INDIRECT)は名前付き範囲の付け方が要です。大分類名と範囲名を一致させます。
- 過去データの移行は元に戻せるよう、バックアップを取ってから行います。
- 大分類が「その他」に集中しないよう、くくり方は現場の用件に合わせて決めます。
まとめ
分類で迷うのは、1つの列に複数の階層を詰め込んでいることが原因です。大分類列と小分類列に分け、小分類を大分類に連動させれば、1回に選ぶ選択肢が減って入力も集計も楽になります。まずは現状の選択肢を大・小に振り分けるところから始めてください。
あわせて、選択肢の粒度を同じレベルにそろえる方法や、集計しやすくする分類列の追加手順、大中小の3階層分類を設計する方法も読むと、分類列の設計を段階的に整えられます。

