導入
売上管理や請求管理のExcel管理表で、同じ商品が「○○Pro」「Pro版」「○○プロ」「旧○○」のように表記がバラついていませんか。商品名が揃わないと、商品別の売上集計が分散し、人気商品の本当の数字が見えなくなります。
これは入力者の問題ではなく、商品情報を各表で手入力しているために、最新化やルール統一が進まないことが原因です。この記事では、Excel 管理表 商品マスタを整え、正式名称とコードで運用する手順を紹介します。
この記事で解決すること
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 解決する課題 | 商品名の略称や旧名称が混ざる |
| 主な原因 | 商品情報を各表で手入力している |
| 解決方法 | 商品マスタを作り正式名称とコードを管理する |
| 対象業務 | 商品管理・売上管理・請求管理 |
| 対象人数 | 5〜50人 |
| 難易度 | ★★☆☆☆ |
| 作成時間 | 45分 |
| 効果 | 商品別集計が安定する |
| 向かないケース | 商品数が少ない表 |
この記事は、商品名を毎回手入力するのをやめ、商品コードで参照する形に整える内容です。
なぜその管理表はうまくいかないのか
商品名がバラつく管理表には、共通する特徴があります。
- 商品名を担当者が毎回手入力している
- 略称や略号を許す暗黙ルールがある
- 旧名称と新名称を区別する仕組みがない
- 商品リストの正本がなく、各人が記憶で書いている
- 商品ごとの単価や税区分も各表で個別に持っている
担当者は「分かれば良い」と思って略称で入れていますが、集計を取る側からすると別商品として扱われてしまいます。問題は、表の側で「商品情報の正本」を1か所にまとめていないことです。
改善手順
ステップ1. 商品マスタの正本を決める
商品リストを管理しているシートやファイルのうち、どれを正本にするかを決めます。最新で正確なリストを選び、それ以外は廃止か参照だけに位置付けを変えます。
ステップ2. 商品コードを振る
商品マスタに「商品コード」列を追加し、すべての商品に一意のコードを振ります。連番でも、業務上の規則(カテゴリ+連番)でも構いません。
ステップ3. マスタ項目を整理する
商品マスタに持たせる項目(正式名称・略称・単価・税区分・有効フラグ・販売開始日・販売終了日など)を決めます。各業務表で重複していた情報はマスタに集約します。
ステップ4. 業務表は商品コードで参照する
売上管理・請求管理など他の表は、商品名を直接入力するのをやめ、商品コード列を持ちます。表示用の商品名や単価はVLOOKUPやXLOOKUPでマスタから引きます。
ステップ5. 旧名称・略称の対応表を持つ
過去の伝票や見積で旧名称を使っているケースに備え、商品マスタ内に「過去名称」列か、別シートで対応表を持ちます。「旧○○ → 商品コード○○」と引けるようにします。
ステップ6. 既存データに商品コードを埋める
過去の売上行・請求行から、商品マスタの商品コードを引き当てる作業を行います。VLOOKUPで自動化できる行と、略称で手動判定が必要な行に分けて進めます。
Before / After
| 観点 | Before | After |
|---|---|---|
| 課題 | 商品名がバラつく | コードで統一参照 |
| 原因 | 各表で個別入力 | 正本マスタで集約 |
| 運用 | 手入力で略称 | コード入力+参照 |
| 確認 | 集計が分散 | コードで横断集計 |
| 効果 | 売上が分かれて見える | 商品別集計が安定する |
商品別の売上推移や粗利、人気商品の把握が安定し、戦略的な判断がしやすくなります。
実務での注意点
- 商品数が少ない表(数品目程度)には、マスタ化は不要です
- 商品名の変更履歴をマスタに残し、旧名称との対応を辿れるようにする
- マスタの更新権限は限定する(誰でも変えられる状態にしない)
- 業務表に商品名を直接書かない(参照だけにする)
- 廃番商品は削除せず有効フラグで管理する
最初から完璧なマスタを目指さず、商品コード・正式名称・単価の3項目から始めるのが現実的です。
Web化・スプレッドシート化との関係
Excel改善で足りる場合
利用者が5〜50人で、商品数が数百件程度なら、Excelのマスタシートと参照関数で十分対応できます。コードでの参照運用さえ定着すれば、商品別の集計は劇的に安定します。
スプレッドシート化・Web化を考える場合
EC連携や在庫管理システムなど、他システムと商品情報を共有する必要がある場合は、スプレッドシートやWebツール、商品マスタ専用ツールへの移行を検討する価値があります。マスタの更新が一箇所で済み、複数システムへ自動配信できます。
ツールを変える前に、商品マスタの項目とコード体系を整えておくと、移行先でもそのまま使えます。
まとめ
Excel管理表で商品名の略称や旧名称が混ざるのは、商品情報を各表で手入力しているためです。商品マスタを作り正式名称とコードで管理すれば、商品別集計が安定し、売上や請求の集計精度を高められます。

