導入
Excel管理表のWeb化を進めると、画面項目(フィールド)の設計で詰まることがあります。「この列は本当に必要?」「この列は何を入れる?」と一列ずつ判断していくと、議論が止まりません。原因は列ごとの利用状況を整理していないことです。
業務台帳・案件管理・契約管理は、列数が多くなりやすい業務です。Web化前に列の棚卸しをしないと、不要な列まで画面項目として作り込んでしまい、現場にとって使いにくい画面になります。この記事では、Web化前に列を一覧化して棚卸しする手順を整理します。
この記事で解決すること
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 解決する課題 | 画面項目に何を入れるか決められない |
| 主な原因 | 列の意味や利用状況を整理していない |
| 解決方法 | 列名・意味・入力者・必須有無を棚卸しする |
| 対象業務 | 業務台帳・案件管理・契約管理 |
| 対象人数 | 5〜100人 |
| 難易度 | ★☆☆☆☆ |
| 作成時間 | 45分 |
| 効果 | 画面項目を設計しやすい |
| 向かないケース | 列数が少ない表 |
この記事は、Web化の画面設計に入る前に、現状の列を整理して取捨選択するための内容です。
なぜその管理表はうまくいかないのか
Excel管理表は時間とともに列が増えていく傾向があります。最初は20列だったものが、5年後には50列になっていることも珍しくありません。すべての列が現在も使われているとは限らず、「とりあえず残っているだけ」の列も混ざります。
Web化時に「現状の列をすべて画面項目に」と進めると、入力負荷が高く、運用が回らない画面ができあがります。これは設計力ではなく、列の棚卸しをしていない問題です。Web化を機に、列を整理することで画面項目をスリム化できます。
業務台帳・案件管理・契約管理は、列数が膨らみやすい業務です。Web化を機に列を棚卸しすることで、現場が使いやすい画面に近づきます。
改善手順
ステップ1. 列を1行ずつ書き出す
現状のExcel表の列を、別の表に「列名」「意味(何を入れる列か)」「入力者」「必須有無」の4軸で書き出します。1列で1行使って整理します。
ステップ2. 入力状況を確認する
各列の入力率(空欄率の逆)を確認します。空欄率80%以上の列は、本当に必要かを再確認します。必要な場合はその理由を、不要な場合は削除候補に分類します。
ステップ3. 重複・統合できる列を整理する
似た意味の列、別表記で同じ内容を入れる列は、統合候補にします。Web化時に1つの項目にまとめると、入力者も迷いません。
ステップ4. 画面項目として残す列を決める
棚卸し結果から、Web化後の画面項目として残す列を決めます。基本的に「現在使われている」「業務上必要」な列だけを残します。「将来使うかも」は判断基準から外します。
ステップ5. 補足情報も整理する
各列について、入力規則(プルダウン候補、必須化条件、桁数など)も整理します。これがWeb化ツールでのフィールド設計書になります。
Before / After
| 観点 | Before | After |
|---|---|---|
| 課題 | 画面項目が決められない | 列棚卸しで設計しやすい |
| 原因 | 列の意味・利用が未整理 | 4軸で棚卸し済み |
| 運用 | すべて画面項目にする | 必要な列だけ画面化 |
| 確認 | 削除判断ができない | 入力率と意味で判断 |
| 効果 | 入力負荷が高い画面 | 画面項目を設計しやすい |
列棚卸しを通じてWeb化前後の業務見直しが進みます。導入後の画面の使いやすさも上がります。
実務での注意点
- 列数が少ない表には不要です。10列程度の表なら棚卸しせずに設計できます
- 削除候補の列は、いきなり消さずに「アーカイブ列」として残す選択肢もあります
- 入力者が複数いる場合、各入力者にヒアリングして「使っていない列」を確認します
- 棚卸し結果はExcelで管理し、Web化作業の元データとして共有します
- Web化後も列棚卸しは半年〜年1回見直し、運用変化を反映します
Web化・スプレッドシート化との関係
Excel改善で足りる場合
Excelで継続する場合でも、列棚卸しは表をスリム化する効果があります。Web化前提でなくても取り組める作業です。
スプレッドシート化・Web化を考える場合
Web化に進む場合、列棚卸しがそのまま画面設計書になります。kintone・AppSheetなどのフィールド設計が一気にスムーズになります。Web化ベンダーと議論する際にも、棚卸し結果が共通言語になります。
列の棚卸しはExcelを続ける場合にも別ツールへ移る場合にも共通して必要な準備です。
まとめ
画面項目に何を入れるか決められない状態は、列の意味や利用状況を整理していない判断軸の問題です。列名・意味・入力者・必須有無の4軸で棚卸しし、入力率や重複も含めて整理するだけで、画面項目を設計しやすくなります。Web化前にこの作業を済ませると、その後の設計が大きく楽になります。

