Excel管理表で必要なファイルを探せない原因。共有フォルダの置き場所を1つに決める手順

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導入

「営業部の月次報告を見たい」と思って共有サーバーを探したら、「営業部共有」「部門共有/営業」「全社共有/営業部」「鈴木さんのフォルダ」と4か所に同じような名前のフォルダがある。それぞれ中身が違って、どれが正本なのか分からない――こんな場面はありませんか。

これは検索能力の問題ではなく、業務ごとの正本ファイルを置く場所が決まっていないことが原因です。本記事では、業務ごとの正本フォルダを1か所に集約し、関係者全員が同じ場所を参照する状態にする手順をまとめます。

この記事で解決すること

項目 内容
解決する課題 必要なファイルを探せない
主な原因 保存場所が人によって違う
解決方法 正本を置く共有フォルダを決める
対象業務 部門共通の管理表全般
対象人数 2〜30人
難易度 ★☆☆☆☆
作業時間 10分
用意するもの 共有ストレージへのアクセス権
効果 探す時間を減らせる
向かないケース 完全な個人メモ

業務ごとの正本フォルダを1か所に決めて、関係者に周知するだけで、「どこにあるんだっけ」の問い合わせと、複数コピーの分散がなくなります。

なぜその管理表はうまくいかないのか

  • 業務の正本フォルダが複数の場所に存在する
  • 「コピーを自分のフォルダに保存」を担当ごとに繰り返し、原本が分からなくなる
  • メールやチャットでファイルを送ると、受信者ごとに別の場所に保存される
  • 過去の担当者が作った似た名前のフォルダが残っている
  • 共有フォルダの構成図が誰にも共有されていない

担当者の整理整頓ではなく、「業務ごとの正本フォルダの場所」が組織として決まっていないことが原因です。見直しは、まず現状のファイル所在を棚卸しして、集約先を1か所に決めるところから始めます。

完成イメージ

直す前 — 同じ業務のフォルダが分散:

(共有サーバー)
  営業部共有/
    月次報告/   ← 鈴木さんのコピー
  部門共有/
    営業/
      月次/     ← 田中さんが昔作った
  全社共有/
    営業部/
      reports/  ← 過去の担当者が作った
  鈴木さんの個人フォルダ/
    月次/       ← 鈴木さんの作業用

→ どれが正本か分からず、それぞれに異なる版が存在する。

直した後 — 業務の正本は1か所のみ:

(共有サーバー)
  営業部/
    README.md   ← フォルダ構成ガイド
    月次報告/   ← ★ ここが正本(他は廃止)
      売上管理_2024年04月.xlsx
      archive/
    年次計画/
    顧客台帳/

各業務に正本フォルダが1つだけ。全員がここを見る。

改善手順

ステップ1. 現状のファイル所在を棚卸しする

同じ業務のファイルがどこに何個あるか書き出します。

操作: 共有サーバーで業務名(例:「月次報告」「売上管理」「顧客台帳」)を全文検索し、ヒットしたフォルダパスを一覧化する。

記入例:

業務 フォルダパス ファイル数 最終更新日 持ち主
月次報告 \営業部共有\月次報告 12 2024-04-30 鈴木
月次報告 \部門共有\営業\月次 8 2023-09-15 田中(休眠)
月次報告 \全社共有\営業部\reports 35 2020-12-01 不明(旧担当)
月次報告 \鈴木個人\月次 5 2024-04-30 鈴木(作業用)

複数あるのが普通。一覧にすると統合判断ができる。

ステップ2. 集約先となる共有フォルダを1つだけ決める

棚卸し結果から、集約先となる1つのフォルダを決めます。

操作: 関係者と相談し、最も使用頻度が高く、関係者全員がアクセス可能な場所を1つ選ぶ。

記入例:

候補 選択判定 理由
\営業部共有\月次報告 ★採用 鈴木が最新版を維持。営業部全員アクセス可。階層が浅い
\部門共有\営業\月次 廃止 半年以上更新なし。担当者異動
\全社共有\営業部\reports archive化 過去資料として保存価値あり
\鈴木個人\月次 廃止 個人作業用。集約後は不要

選定基準は「アクセス権・更新頻度・階層の浅さ・組織との整合」。

ステップ3. 集約先フォルダのトップにREADMEを置く

新規参加者でもフォルダ構成が分かるように、READMEを置きます。

操作: 集約先フォルダの直下にREADME.md(またはREADME.xlsx)を作り、フォルダ構成・正本の場所・問い合わせ先を記載する。

記入例:

# 営業部 共有フォルダ

## このフォルダの役割
営業部が管理する正本ファイルの置き場所です。
個人作業用のコピーは個人フォルダに置いてください。

## フォルダ構成
- 月次報告/   月次の売上・活動報告。担当: 鈴木
- 年次計画/   年度計画と予実管理。担当: 田中
- 顧客台帳/   取引先一覧と連絡先。担当: 鈴木
- archive/    過去資料の保管庫。

## 問い合わせ
営業部 鈴木(内線1234)

新人や他部門の人にもフォルダ構造が伝わる。

ステップ4. 関係者へ移行をアナウンスし、ショートカットを共有する

集約先が決まったら関係者全員に通知します。

操作: メールまたはチャットで以下を周知する。あわせて、廃止する旧フォルダにも「移行のお知らせ」テキストファイルを置く。

記入例:

周知項目 内容
新しい正本フォルダ \営業部共有\月次報告
移行期限 2024年5月31日まで(以降、旧フォルダは参照不可)
旧フォルダの扱い \部門共有\営業\月次 と \鈴木個人\月次 は削除予定
ショートカット デスクトップに「営業部共有」のショートカット配布
質問先 営業部 鈴木

旧フォルダ内に「移行のお知らせ.txt」を置く:

このフォルダは2024年5月31日に廃止されます。
新しい正本フォルダは下記のとおりです。
→ \営業部共有\月次報告

廃止予定を1か月前に告知すると、混乱が少ない。

実務での注意点

  • 完全に個人だけが使うメモやテンプレートは、無理に共有フォルダへ移す必要はありません。
  • 集約先フォルダの場所は、組織変更や運用見直しで変わる可能性があります。READMEを更新しやすい場所(フォルダ直下)に置きます。
  • 移行のアナウンス後、1〜2週間は旧フォルダを残しておきます。すぐ削除すると「アクセスできない」苦情が出ます。
  • 集約先のアクセス権は、業務関係者全員が「閲覧可」になっていることを確認します。一部の人だけ閲覧不可だと、また別の場所にコピーが作られます。
  • 業務統合や名称変更時は、フォルダ名変更ではなく「新フォルダ作成→中身を移動→旧フォルダ廃止」の手順で進めます。リンクやショートカットが切れにくくなります。

まとめ

必要なファイルを探せない原因は、業務ごとの正本フォルダが組織として1か所に決まっていないことです。現状の所在を棚卸しし、集約先を1つに絞り、READMEと移行アナウンスをセットで行えば、関係者全員が同じ場所を参照する状態が作れます。

次にやることは、自分の業務名で共有サーバー全体を検索し、同じ業務のフォルダが何か所あるかを数えることです。3か所以上あれば、本記事の集約効果が大きく出ます。あわせて、業務別の分割は業務別にフォルダを分ける手順、正本専用フォルダの作り方は正本専用フォルダを作る手順も参考になります。

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