Excel管理表で担当ファイルの所在が分からない原因。一覧化して棚卸す手順

Excel管理表で担当ファイルの所在が分からない原因。一覧化して棚卸す手順のアイキャッチ画像 ファイル・共有運用

導入

「営業の案件管理表ってどこにあるの?」と聞かれて答えに困る。誰がどのファイルを持っているか部署内でも把握できておらず、退職者が残したファイルが個人PCに眠っているかもしれない――こんな場面はありませんか。

これは把握不足ではなく、担当者ごとに分散したファイルの所在を一覧化していないことが原因です。本記事では、担当者・ファイル名・保存場所・更新日を1つの一覧にまとめ、統合や引き継ぎの土台になる棚卸し表を作る手順をまとめます。

この記事で解決すること

項目 内容
解決する課題 どの担当がどのファイルを持っているか分からない
主な原因 担当別ファイルの棚卸しをしていない
解決方法 担当者・ファイル名・保存場所・更新日を一覧化する
対象業務 営業管理・顧客管理・部門台帳
対象人数 3〜50人
難易度 ★☆☆☆☆
作業時間 20分
用意するもの 棚卸し用の新Excel/担当者へのヒアリング枠
効果 統合対象を見つけやすい
向かないケース 担当別ファイルが存在しない業務

棚卸し一覧があれば、統合候補・廃止候補・引き継ぎ漏れが一目で見えます。

なぜその管理表はうまくいかないのか

  • ファイルの所在を聞き取ってまとめたことがない
  • 個人PCにある重要ファイルが共有フォルダに上がっていない
  • 異動者・退職者のファイルが宙に浮いている
  • 担当者ごとにファイル名のつけ方が違い、同じ業務でも別ファイルに見える
  • 「現役」「休眠」「停止」の区分がない

担当者の管理不足ではなく、組織として棚卸しの仕組みが定まっていないことが原因です。見直しは、棚卸し一覧の列構成を決め、担当者全員にヒアリングするところから始めます。

完成イメージ

直す前 — 所在不明:

(誰がどのファイルを持っているか把握できていない状態)
- 営業1課 鈴木: 案件管理表を持っているらしい
- 営業2課 田中: 何か持っているはずだが詳細不明
- 営業3課 山田: 退職済み、ファイルの行方不明
- 元営業 佐藤: 異動済み、過去のファイルが個人PCに残存

直した後 — 棚卸し一覧:

ファイルNo 業務 ファイル名 担当者 保存場所 最終更新日 状態 統合候補
001 案件管理 営業1課_案件.xlsx 鈴木(1課) \営業部\1課\ 2024-04-30 現役
002 案件管理 営業2課_案件.xlsx 田中(2課) \営業部\2課\ 2024-04-28 現役
003 案件管理 案件_山田.xlsx 山田(退職) \個人\山田\ 2023-09-01 停止 引き継ぎ確認
004 顧客台帳 顧客リスト_佐藤.xlsx 佐藤(異動) \個人\佐藤\ 2023-12-15 休眠 引き継ぎ確認
005 案件管理 営業3課_案件.xlsx 鈴木(暫定) \営業部\3課\ 2024-04-29 現役

「現役・休眠・停止」の区分で、統合・引き継ぎの優先度が見える。

改善手順

ステップ1. 一覧表の列構成を決める

棚卸し一覧の列を最初に固める。

操作: 新規Excelを作り、A列〜I列に以下の列を置く。

記入例:

列名 内容
A ファイルNo 連番(001から)
B 業務 業務名(案件管理・顧客台帳など)
C ファイル名 フルパスではなくファイル名
D 担当者 氏名(部署)
E 保存場所 共有フォルダのパスまたは「個人PC」
F 最終更新日 YYYY-MM-DD
G 状態 現役/休眠/停止
H 統合候補 ○/×/引き継ぎ確認
I 備考 引き継ぎ予定・特記事項

「状態」と「統合候補」を必ず入れる。判定軸が無いと、ただのリストになる。

ステップ2. 各担当にヒアリングし入力してもらう

棚卸しは担当者本人に書いてもらうのが速い。

操作: 棚卸し表を共有し、各担当者に自分の関連ファイルを記入してもらう。記入期限は1週間程度。

記入例:

依頼メール/チャットの例:

件名: 案件管理表の棚卸しご協力のお願い

各位、

部内の案件管理表を統合する事前準備として、現在ご自身で管理されている案件管理関連のExcelファイルを下記表に記入してください。

【URL】\営業部\棚卸し\案件管理棚卸し_2024年05月.xlsx
【期限】2024年5月10日まで
【記入内容】業務名、ファイル名、保存場所、最終更新日

ご不明点は鈴木までご連絡ください。

担当者本人に書いてもらうと、管理者が見落とすファイルも拾える。

ステップ3. 一覧表をクロスチェックする

ヒアリング結果を、共有フォルダの実態と突き合わせます。

操作: 共有フォルダで「案件」「顧客」など業務名で全文検索し、ヒットしたファイルと一覧表を照合。漏れがあれば追加。

記入例:

検索キーワード ヒット数 一覧表掲載数 差分対応
案件 8 5 漏れ3件を一覧表に追加
商談 3 0 「案件」と同義?担当者に確認
Project 2 1 漏れ1件を一覧表に追加
顧客 6 4 漏れ2件を一覧表に追加

検索結果と一覧表の差分は、担当者本人に確認してから追加する。

ステップ4. 現役・休眠を区分する

各ファイルに「現役・休眠・停止」のラベルを付けます。

操作: 最終更新日と担当者の在籍状況から、状態列を判定する。

記入例:

状態 判定基準 対応
現役 直近3か月以内に更新あり+担当者在籍 統合対象として優先
休眠 3〜12か月更新なし/担当者は在籍 担当者にヒアリングし要否判断
停止 12か月以上更新なし/担当者異動・退職 引き継ぎ確認後、archive化

「いつから動いていないか」を可視化すると、廃止判断が機械的にできる。

ステップ5. 一覧表を共有フォルダに保管しメンテナンスする

棚卸し一覧自体を共有フォルダの定位置に置き、定期更新します。

操作: 棚卸し一覧を共有フォルダの「99_部門横断/棚卸し/」配下に保管し、半年〜年1回のタイミングで更新する。

記入例:

保管場所 \営業部共有\99_部門横断\棚卸し\案件管理棚卸し.xlsx
更新タイミング 半期初め(4月、10月)
更新担当 営業企画 鈴木
更新内容 状態の見直し、新規ファイル追加、停止ファイルのarchive移動
履歴管理 旧版は archive/ へ保管

定期更新の枠を取らないと、棚卸し一覧自体が古くなる。

実務での注意点

  • 担当別ファイルが存在しない業務(既に1つの統合表で運用している業務)では、この棚卸しは不要です。
  • 個人PCの中身までは管理者が見られないので、担当者本人の協力が必須です。ヒアリング期限を設けて督促します。
  • 退職者・長期異動者のファイルは、本人に連絡できない場合があります。元上司や元同僚から推測で書き出し、後で本人に確認します。
  • 棚卸し一覧は「業務統合の前提資料」として位置付けます。一覧化だけで終わらせず、統合・廃止のアクションにつなげます。
  • 個人情報や機密データを含むファイルは、棚卸し一覧の備考に注記し、扱い注意を共有します。

まとめ

担当ファイルの所在が分からない原因は、担当者ごとに分散したファイルの一覧を作っていないことです。担当者・ファイル名・保存場所・更新日・状態を1つの表にまとめれば、統合候補・廃止候補・引き継ぎ漏れが一目で見えます。

次にやることは、自部署の共有フォルダで業務名(「案件」「顧客」など)を全文検索し、ヒット数と頭の中の認識数が一致しているか確認することです。3件以上ズレていれば、棚卸しの効果が大きく出ます。あわせて、共通列の抽出は共通列を抽出する手順、更新日確認は担当ファイルの更新日を確認する手順、統合の進め方は担当列でまとめる手順も参考になります。

タイトルとURLをコピーしました