Excel管理表のファイルが散らばる原因。正本の置き場所を1つに決める手順

Excel管理表のファイルが散らばる原因。正本の置き場所を1つに決める手順のアイキャッチ画像 ファイル・共有運用

導入

部署で使う管理表が、共有フォルダAに「営業用」、共有フォルダBに「経理用」、Cドライブのデスクトップに「鈴木さん作業用」、メール添付で「最新版」と4つの場所に散らばっている。新人が「どこを見ればいいですか」と聞いてくるたびに、毎回違う答えになっている――こんな場面はありませんか。

これは整理不足ではなく、ファイルの正規の置き場所が決まっていないことが原因です。本記事では、正本フォルダを1つに決めて、関係者全員が同じ場所を見る運用に整える手順をまとめます。

この記事で解決すること

項目 内容
解決する課題 ファイルが複数の場所に散らばる
主な原因 保存場所が人によって違う
解決方法 正本を置く共有フォルダを1つに決める
対象業務 部門共通の管理表全般
対象人数 2〜30人
難易度 ★☆☆☆☆
作業時間 10分
用意するもの 共有フォルダの編集権限
効果 探す時間を減らせる
向かないケース 一時的な作業ファイル

正本フォルダを1か所に決めるだけで、新人の質問が大幅に減り、月次集計時の「どのファイル?」確認時間がほぼゼロになります。

なぜその管理表はうまくいかないのか

  • 担当者ごとにデスクトップやMy Documentsに保存している
  • 共有フォルダの構成が部署ごとに違い、横断検索が必要
  • メール添付されたファイルが各人のローカルに散らばっている
  • フォルダ名のルールがなく「2024」「年度2024」「FY24」などが混在
  • 古い場所と新しい場所の両方を更新している

担当者の自由運用ではなく、正本フォルダの位置と命名が組織で決まっていないことが原因です。見直しは、既存ファイル所在を棚卸ししてから正本フォルダを1つだけ確定するところから始めます。

完成イメージ

直す前 — ファイルが分散:

場所 ファイル
共有/営業/ 売上管理表_営業用.xlsx
共有/経理/ 売上管理表_経理用.xlsx
鈴木デスクトップ 売上管理表_作業用.xlsx
メール添付 売上管理表_最新.xlsx

どこが正本か不明、4箇所同期する必要あり。

直した後 — 正本フォルダ1つに集約:

共有/業務マスタ/売上管理/
  ├── 【正本】売上管理表.xlsx       ← 正本
  ├── 取込履歴/                     ← 過去CSV
  ├── _old/                         ← 過去版
  └── README.txt                    ← フォルダの説明

正本は1か所のみ。営業も経理も同じファイルを更新する。

改善手順

ステップ1. 既存のファイル所在を棚卸しする

該当業務のファイルがどこに存在するかを全部リストアップします。

操作: 共有フォルダ全体、デスクトップ、メール添付、各人のローカルから関連ファイルを探す。エクスプローラのファイル検索で「売上管理表*」のように検索。

記入例:

場所 ファイル名 最終更新 状態
共有/営業/ 売上管理表_営業用.xlsx 2024-05-01 営業の作業中
共有/経理/ 売上管理表_経理用.xlsx 2024-04-28 経理が4月末に作成
鈴木デスクトップ 売上管理表_作業用.xlsx 2024-05-03 鈴木の手元
田中のメール添付 売上管理表_最新.xlsx 2024-04-30 田中が共有

棚卸し結果を一覧化することで、整理の規模感が見える。

ステップ2. 正本フォルダを1つだけ決める

全関係者がアクセスできる場所に、正本フォルダを1つだけ作ります。

操作: 共有フォルダのトップレベルに「業務マスタ」または「正本」フォルダを作る。その下に業務ごとのサブフォルダ(「売上管理」「顧客管理」など)を配置する。Cドライブ・デスクトップ・個人OneDriveは候補外。

記入例:

共有/業務マスタ/
  ├── 売上管理/
  │   └── 【正本】売上管理表.xlsx
  ├── 顧客管理/
  │   └── 【正本】顧客管理表.xlsx
  ├── 月次報告/
  └── README.txt(運用ルール)

「業務マスタ」配下を「ここを見れば正本」と一目で分かる構造にする。

ステップ3. 正本フォルダの命名と説明を統一する

フォルダ名の命名規則とREADME(説明書き)を整えます。

操作: 正本フォルダ直下にテキストファイル README.txt を置き、A4分量で運用ルールを書く。フォルダ名は「業務名_主担当部署」のように一意性を持たせる。

記入例(README.txt):

■ このフォルダの役割
売上管理業務の正本ファイル保管場所です。

■ 利用ルール
- 正本ファイル「【正本】売上管理表.xlsx」のみを更新してください
- 作業用コピーが必要な場合は _作業中/ サブフォルダに置いてください
- 過去版は _old/ サブフォルダに保管します(削除しない)

■ 連絡先
鈴木(営業部、内線123)

✗悪い例: READMEなしで運用 → 新人が場所を見ても何のフォルダか分からない ◎良い例: 1分で理解できる説明を1ファイルに置く

ステップ4. 既存の散らばったファイルを片付ける

ステップ1で棚卸ししたファイルを、正本フォルダに統合します。

操作: 各場所のファイルを以下の3つに分類する。 1. 正本に統合する → 内容を正本にマージ後、元ファイルを _old/ へ 2. 過去版として残す → そのまま _old/ へ 3. 個人作業用 → 各自のローカルへ(共有フォルダから削除)

記入例:

元ファイル 行先 理由
共有/営業/売上管理表_営業用.xlsx 正本にマージ後、_old/ へ 営業データは正本に統合
共有/経理/売上管理表_経理用.xlsx 正本にマージ後、_old/ へ 経理データも正本に統合
鈴木デスクトップ/売上管理表_作業用.xlsx 鈴木のローカルへ移動(共有から削除) 個人作業用
メール添付/売上管理表_最新.xlsx 正本にマージ後、削除 内容を正本に取り込み済み

実務での注意点

  • 一時的な作業ファイル(一回限りの作業など)は本記事の対象外です。共有フォルダではなく個人のローカルに置きます。
  • 共有フォルダの権限設定で、業務マスタ配下を「業務担当のみ書込み可」、その他を「閲覧のみ」に分けると安全。新人が誤って正本を上書きしにくくなる。
  • フォルダ命名は組織全体で統一する必要はなく、業務単位で十分です。「業務マスタ」「正本」「マスタ」など、組織で1つ選ぶ。
  • 月次1回、正本フォルダ内を見直して、_old/ の古いファイルを年度別アーカイブに移動する運用を組み込むと、フォルダが膨らみません。
  • OneDriveやTeamsで共有する場合、ファイルパスが変わるリスクがあるので、移行前に一度全関係者に通知します。

まとめ

ファイルが複数の場所に散らばる原因は、正本フォルダが組織で決まっていないことです。「業務マスタ」のような正本フォルダを1つに確定し、READMEで運用ルールを明記すれば、新人の質問やファイル探しの時間が大幅に減ります。

次にやることは、対象業務のファイルがどこにあるかを棚卸しすることです。10分で5箇所くらい発見できれば、それを1か所に集約する価値があります。あわせて、正本ファイル自体を1つに決める手順は正本を1つに決める手順、作業コピーの命名は作業コピーの命名を分ける手順も参考になります。

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